2008年05月25日

太鼓を「打つ」のと「叩く」のとでは音が違うのでしょうか?



Q: 太鼓を「打つ」のと「叩く」のとでは音が違うのでしょうか?

A: そうですね。 「物を叩く」と言うのはとても原始的な動作だと思います。 それに比べ、太鼓を打つのは作品を表現する打法なので規則性があります。 人によっては太鼓を「はたく」と言ったりしますが、長唄の世界でも「鼓を打つ」と言いますし、「人の心を打つ」とも言います。 ただ怒りに任せて物を叩いたり、布団を叩いたりするのではなく、狙ったところを打って自分の感情を表現するのです。 どこでも当たればよいのではなく、気を入れて情景を表すために太鼓を打つ・・・その違いとして私は捉えています。
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2007年11月22日

新曲「櫓(やぐら)」を発表、和太鼓らしさとは?



演奏:鮎壷太鼓(2007年11月11日)
作曲:渡辺洋一

久々のポッドキャストとなってしまいました。

今回は11月11日に発表された新曲「櫓(やぐら)」について伺いました。 この曲はユニークな台、バチの種類、鼓面の使い方などが特徴的ですが、音作りにも面白いカラクリがあったのです。

祭りをモチーフとしたこの曲に不可欠となるのが「郷土芸能らしさ」だったり「和太鼓っぽさ」です。 では、祭りの高揚を和太鼓で表現するにはどんな手法が用いられているのか? 和太鼓らしい音を出すためにはどんな工夫がされているのか?

今回のポッドキャストで渡辺先生が天邪鬼の極意とも言える音作りの一部を明かします。

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2006年12月29日

作曲について



Q: 渡辺先生はどのようにして曲を作っているのでしょうか? 私のグループでも新しく演奏できる曲を作っているのですがどのようにすれば良い曲になっていきますか? (東京都・24歳・男性)

A: 作曲には二通りあると思います。 一つは振りから音を導き出す方法、もう一つは音から振りを考え出す方法があると思います。 あと、大事になってくるのは曲のテーマです。 例えば、「怒涛」と言うテーマがあれば、露の一滴が川になり、海になっていく様子、又は九十九里やハワイの大きなウェーブなどをイメージする事が大事です。 私が作曲する時はこのイメージを序破急(注1)に結び付けていくようにしています。

こう言った作曲者のイメージもとても大事ですが、聴いている人が気持ち良いか気持ち良くないかも非常に重要です。 曖昧な表現ですが、聴いている人に興奮や感動など、「何か」残すのが良い曲だと思います。 作曲している最中に多くの人に創作中の曲を見てもらい、意見を聞く事も大事です。

「成功は一夜にしてならず」と言う言葉がありますが、良い曲も一夜にしてできません。 作曲をする際も長い時間を掛けて曲を練り上げる必要がありますが、作曲をするのに必要な基礎を積む事も大事です。 強い信念を持ち、それに伴うしっかりとした技術的な基礎を持っていないと良い曲は決してできません。 作曲するには技術だけでなく、自分を信じる力、そして何よりも「自分の太鼓を良く知る事」が大事ではないでしょうか。

(注1) 序破急 ― 三省堂提供「大辞林 第二版」より

 楽曲構成・番組編成・演出などの理念上の三区分。 上演の時間経過に伴う趣向変化の典型を想定したもので、序・破・急は導入・展開・終結とみなせる。 能・浄瑠璃の脚本構成、能の五番立の番組などがこの理念による例である。

 楽曲中の速度の緩急、技巧の繁簡、表情の静動などの変化を包括的にさしていう語。三味線楽・箏曲などの近世邦楽や講談などの話芸で用いられ、三区分不明確な一語として「序破急」ということもある。
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2006年12月22日

天邪鬼のネーミング、20周年を向かえた今、そして変化し続ける渡辺洋一



本日は株式会社共同クリエイティブの佐藤一水氏、田中なおみ氏とのインタビューを公開させていただきます。 インタビューは後日練馬区観光協会HPにて掲載されますのでお楽しみに。

1. 天邪鬼のネーミング
情報化の時代を向かえ、人ではなくパソコンの画面と向かう事が多くなる中で忘れつつあるモラルがあります。 それは人とのコミュニケーションの大切さだったり、先輩を慈しむ心、後輩を思いやる心だったりすると思います。 このモラルを太鼓で言えば先人が築き上げてきた伝統だと思います。

色んなジャンルの音楽を勉強する中で日本の普遍的良さに気づき、自分でも新たな伝統を築きたいと思いました。 その普遍的な良さを言葉で表したのが「Soul Beat」 − 日本語で言うと「魂の響」です。

まだ誰も踏み入れた事の無い所で「魂の響」を表現しようと立ち上げたのが天邪鬼です。 先人の伝統を尊重しつつ、新たな伝統を築き上げると言う「伝統と創造の狭間」が天邪鬼に取って永遠のテーマです。 よって、天邪鬼と言うネーミングは人の意に逆らうのではなく「皆と同じ方向に進むより、反対から行く事で道が開ける」と言う意味合いが強いのです。

2. 20周年を向かえて
独立したときは自分の両親が死ぬと言う事をまったく考えていませんでした。 でも、40を過ぎてから体が悪くなり始め、親戚が一人ずつ亡くなり、人間のはかなさについて身をもって考えさせられました。 それに加え、交通事故や舞台のセリから落ちると言う大きなアクシデントから生き延びると言う奇跡もありました。

そのような体験を重ねる中で「太鼓をやらされている」のではなく、「させてもらえている」と言う認識が生まれました。 その認識は両親や先祖から自分自身が成り立っていると言う事実と向き合い、感謝する事によって生まれたのではないでしょうか?

これは太鼓と言う道をやっている中で「分からされてしまった」事でした。 きっとそれが分からないと何をコンセプトにすればいいのか分からないのだと思います。

3. 自分自身の変化
最近よく「優しくなったね」と言われますが昔はもっと恐い顔をしていたと思います。 それは助からない病気に掛かっていた親の介護から抜けたと言う事が大きいと思います。

今回は介護している時の当事者にしか分からない気持ちの浮き沈みを「開運 〜祈り・願い〜」と言う曲に注ぎ込みました。 親の言葉や思いを詩に残し、自分の言葉で人間の生き様を表現しました。 

まだまだ通過点かもしれませんが20年立ち、天邪鬼と言う団体が人間で言うと成人式を向かえたわけです。 団体として天邪鬼らしさや付加価値が固まり、20年やってこれた事も大きな自信となりました。

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2006年11月10日

新曲「五色の太鼓」サンプルクリップ公開!



久々の更新となってしまい、大変申し訳ございません。

今日は新曲「五色の太鼓」のサンプルクリップを公開いたします。

この曲は5人の奏者がそれぞれの個性を大太鼓に投影し、一つの物語に仕上げていきます。


五色の太鼓
鮮やかな光の世界 遍く充ちて五色に染まる 

一人一人の人間が異なる輝きを持つように、一つ一つの太鼓にもそれぞれの音色があり、それが個性となる。

演奏者の個性に加え、太鼓それぞれの音色が絡み合い、混ざり合い五色に輝く音を織り成してゆく。
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2006年09月03日

ブラジルの子供達について



久しぶりのポッドキャストになってしまいました。 今回は渡辺先生にブラジルで指導した子供達の印象に付いてお伺いする事ができました。

世界の反対側で頑張っている彼らに取って、先生の言葉が少しでも励みになれば幸いです。

影山 伊作
posted by 太鼓集団 天邪鬼 at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ポッドキャスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする