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Q: 渡辺先生はどのようにして曲を作っているのでしょうか? 私のグループでも新しく演奏できる曲を作っているのですがどのようにすれば良い曲になっていきますか? (東京都・24歳・男性)
A: 作曲には二通りあると思います。 一つは振りから音を導き出す方法、もう一つは音から振りを考え出す方法があると思います。 あと、大事になってくるのは曲のテーマです。 例えば、「怒涛」と言うテーマがあれば、露の一滴が川になり、海になっていく様子、又は九十九里やハワイの大きなウェーブなどをイメージする事が大事です。 私が作曲する時はこのイメージを序破急(注1)に結び付けていくようにしています。
こう言った作曲者のイメージもとても大事ですが、聴いている人が気持ち良いか気持ち良くないかも非常に重要です。 曖昧な表現ですが、聴いている人に興奮や感動など、「何か」残すのが良い曲だと思います。 作曲している最中に多くの人に創作中の曲を見てもらい、意見を聞く事も大事です。
「成功は一夜にしてならず」と言う言葉がありますが、良い曲も一夜にしてできません。 作曲をする際も長い時間を掛けて曲を練り上げる必要がありますが、作曲をするのに必要な基礎を積む事も大事です。 強い信念を持ち、それに伴うしっかりとした技術的な基礎を持っていないと良い曲は決してできません。 作曲するには技術だけでなく、自分を信じる力、そして何よりも「自分の太鼓を良く知る事」が大事ではないでしょうか。
(注1) 序破急 ― 三省堂提供「大辞林 第二版」より
楽曲構成・番組編成・演出などの理念上の三区分。 上演の時間経過に伴う趣向変化の典型を想定したもので、序・破・急は導入・展開・終結とみなせる。 能・浄瑠璃の脚本構成、能の五番立の番組などがこの理念による例である。
楽曲中の速度の緩急、技巧の繁簡、表情の静動などの変化を包括的にさしていう語。三味線楽・箏曲などの近世邦楽や講談などの話芸で用いられ、三区分不明確な一語として「序破急」ということもある。